FP2級と高校の金融教育を比較してみた

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こんにちはまっちゃです。

ついに、4月から高校での金融教育がはじまりましたね。

文部科学省の出している高校学習指導要領183ページによると、家庭基礎では持続可能な消費生活・環境の項目で次の事項を身に付けることができるよう指導すると記されています。

  • 家計の構造や生活における経済と社会との関わり,家計管理について理解すること。
  • 消費者の権利と責任を自覚して行動できるよう消費生活の現状と課題,消費行動における意思決 定や契約の重要性,消費者保護の仕組みについて理解するとともに,生活情報を適切に収集・整理 できること。

大人のみなさんはFP2級を勉強して、これらに加えて税金や社会保障制度、不動産についてなど、より自身の生活に身近な内容を学んでいきましょう。

FP2級の勉強方法は過去の記事で紹介しているので、ぜい見てみてください。

FP2級で学べる内容

Photo by Paico Oficial on Unsplash

FP2級の試験範囲は以下です。これだけでも十分に詳細な情報ですが、より詳しく知りたい方は日本FP協会の公式ページをご覧ください。

A. ライフプランニングと資金計画

  1. ファイナンシャル・プランニングと倫理
  2. ファイナンシャル・プランニングと関連法規
  3. ライフプランニングの考え方・手法
  4. 社会保険
  5. 公的年金
  6. 企業年金・個人年金等
  7. 年金と税金
  8. ライフプラン策定上の資金計画
  9. 中小法人の資金計画
  10. ローンとカード
  11. ライフプランニングと資金計画の最新の動向

B. リスク管理

  1. リスクマネジメント
  2. 保険制度全般
  3. 生命保険
  4. 損害保険
  5. 第三分野の保険
  6. リスク管理と保険
  7. リスク管理の最新の動向

C. 金融資産運用

  1. マーケット環境の理解
  2. 預貯金・金融類似商品等
  3. 投資信託
  4. 債権投資
  5. 株式投資
  6. 外貨建商品
  7. 保険商品
  8. 金融派生商品
  9. ポートフォリオ運用
  10. 金融商品と税金
  11. セーフティネット
  12. 関連法規
  13. 金融資産運用の最新の動向

D. タックスプランニング

  1. わが国の税制
  2. 所得税の仕組み
  3. 各種所得の内容
  4. 損益通算
  5. 所得控除
  6. 税額控除
  7. 所得税の申告と納付
  8. 個人住民税
  9. 個人事業税
  10. 法人税
  11. 法人住民税
  12. 法人事業税
  13. 消費税
  14. 会社、役員間及び会社間の税務
  15. 決算書と法人税申告書
  16. 諸外国の税制度
  17. タックスプランニングの最新の動向

E. 不動産

  1. 不動産の見方
  2. 不動産取引
  3. 不動産に関する法令上の規制
  4. 不動産の取得・保有に関する税金
  5. 不動産の譲渡に係る税金
  6. 不動産の賃貸
  7. 不動産の有効活用
  8. 不動産の証券化
  9. 不動産の最新の動向

F. 相続・事業承継

  1. 贈与と法律
  2. 贈与と税金
  3. 相続と法律
  4. 相続と税金
  5. 相続財産の評価(不動産以外)
  6. 相続財産の評価(不動産)
  7. 不動産の相続対策
  8. 相続と保険の活用
  9. 事業承継対策
  10. 事業と経営
  11. 相続・事業承継の最新の動向

実技試験

個人資産相談業務

  1. 関連業法との関係及び職業上の倫理を踏まえたファイナン シャル・プランニング
  2. 個人顧客のニーズ及び問題 点の把握
  3. 問題の解決策の検討・分析
  4. 顧客の立場に立った相談

II. 中小事業主資産相談業務

  1. 関連業法との関係及び職業 上の倫理を踏まえたファイナン シャル・プランニング
  2. 中小事業主のニーズ及び問 題点の把握
  3. 問題の解決策の検討・分析
  4. 顧客の立場に立った相談

III. 生保顧客資産相談業務

  1. 関連業法との関係及び職業 上の倫理を踏まえたファイナン シャル・プランニング
  2. 生保顧客のニーズ及び問題 点の把握
  3. 問題の解決策の検討・分析
  4. 顧客の立場に立った相談

IV. 損保顧客資産相談業務

  1. 関連業法との関係及び職業 上の倫理を踏まえた ファイナン シャル・プランニング
  2. 損保顧客のニーズ及び問題 点の把握
  3. 問題の解決策の検討・分析
  4. 顧客の立場に立った相談

V. 資産設計提案業務

  1. 関連業法との関係及び職業上の倫理を踏まえたファイナン シャル・プランニング
  2. ファイナンシャル・プランニン グのプロセス
  3. 顧客のファイナンス状況の分 析と評価
  4. プランの検討・作成と提示

金融庁が提供している高校生のための金融リテラシー講座とFP2級の内容比較

2022年4月からの高校学習指導要領改訂で、金融経済教育の内容が拡充されることに伴い、金融庁が高校向けの金融経済教育指導教材の公表しています。

全115ページのボリュームのある資料になっています。内容を見たところ、高校生だけでなく大人の人も一度は目を通したほうが良いと思える内容でした。

もくじは次のようになっています。

  1. 家計管理とライフプランニング 働いて「稼ぐ」ことと将来設計について
  2. 使う
  3. 備える 社会保険制度と民間保険
  4. 貯める・増やす 資産形成
  5. 借りる
  6. 金融トラブル
  7. まとめ

これらをFP2級の試験範囲と比較してみると、以下の項目が共通しています。

A. ライフプランニングと資金計画

3. ライフプランニングの考え方・手法

4. 社会保険

8. ライフプラン策定上の資金計画

10. ローンとカード

B. リスク管理

  1. リスクマネジメント
  2. 保険制度全般
  3. 生命保険
  4. 損害保険

C. 金融資産運用

  1. マーケット環境の理解
  2. 預貯金・金融類似商品等
  3. 投資信託
  4. 債権投資
  5. 株式投資

13. 金融資産運用の最新の動向


このように一覧にしてみてわかることは、高校での金融教育はFP2級で言うところの

  1. ライフプランニングと資金計画
  2. リスク管理
  3. 金融資産運用

の3つを重点的に教育していこうという姿勢が見られます。それぞれのトピックについて深くは掘り下げられていませんが、必要最低限の情報は提供されています。

逆にD. タックスプランニングについてはほとんど記載がないことが気になりました。税金はどのように徴収され、どのように活用されているかというないようが少しはあってもよかったのではないかと、個人的には思います。(まあ、学習指導要領に従っているだけなのでこうなるのも仕方ないかも)

ところで、コピペで税金のことを罰金としているものを見かけたことがありますか?

税金を罰金と誤って認識している人がいるのはとても良くないと感じています(もちろんこのコピペがネタの可能性もありますが)

税金ひいては税制によって、社会がどのように成り立っているかということを知っておくべきではないでしょうか。社会に出る前に税制について学んでいれば、増税や減税について自分の頭で考えることができるようになると思います。

興味深いと感じた内容

Photo by Bekky Bekks on Unsplash

個人的に興味深い・これも教えるのか!と感じたトピックを2つ紹介します。

給与明細

なぜ給与明細を載せたのか。金融庁の意図はわかりかねますが、給与明細を載せるのであれば各種税金についての説明も必要でしょう。

出典:高校生のための金融リテラシー講座 スライド11

72の法則

みなさんは72の法則という法則を知っていますか?

72の法則は、元本が2倍になる金利と年数の関係のことで、72を金利(%)で割るとお金が2倍になるまでにかかる年数がわかります。

例えば、金利が3%で1万円が2万円になるために必要な年数は次の式で計算できます。

72 / 3(%) = 24(年)

つまり、金利が3%であれば1万円は24年で2万円に増えるということです。

仮に、預金金利を0.001(%)とすると1万円が2万円になるのに係る年数は次の式で計算できます。

72 / 0.001(%) = 72000(年)

72,000年?????

普通預金でお金を増やそうとするのはやめましょうね。

出典:高校生のための金融リテラシー講座 スライド63

まとめ

金融庁の高校生のための金融リテラシー講座では主に

  1. ライフプランニングと資金計画
  2. リスク管理
  3. 金融資産運用

について説明していました。高校生であれば十分な内容かと思います。

その一方で税制についての説明がなかったり、NISAやiDeCoなど、高校生の時点ではあまり関係のない内容が紹介されていたりと本当にその内容で良かったのかと疑問が出てくる内容でした。

僕個人としては両学長のYouTubeチャンネルを観ている方がよっぽどためになるかなと思いました。こちらはアニメーションもあり馴染みやすく、より多くの情報を知ることができます。

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